前号以降(6月2日)に掲載した主な記事は下記の通りです。
(1) ため池データベースを充実すべく、三重県中勢地方に位置する津市内の面積2ha以上の全てのため池28カ所について、写真と解説を加えました(立入禁止の1カ所を除く)。今回、未収録の3カ所のため池を追加しました(合計31カ所)。ため池を廻ってみると、現在もため池の環境は変わりつつあることが分かります。ため池におけるトンボ類の多様性については、農業環境技術研究所の平成18年度の主要成果でも、ため池とその周辺環境の多様性が重要であることが示されています。筆者は、幾つかのため池でトンボの多様性を調査していますが、今後、トンボ類の多様性のホットスポットとなるところはどこであるのかを調べ、環境保全につなげていきたいと考えています。
ため池データベース(三重県津市分)
赤池・池尻池のトンボ
津市一身田の新池の魚類等については、昨年の調査で大型コイしか認められませんでしたが、本年6月にヨシの生えた浅瀬で調査したところ、ブラックバスの稚魚、アメリカザリガニなどが捕獲されました。生物多様性にとってのヨシ原の重要性を実感しました。
(2) 「本の紹介」で、日浦勇著の「自然観察入門」を取り上げました。前から読もうとしていたのですが、今回、上記のように「ため池データベース」でトンボなどの水生生物を調べ始めましたので読んでみました。著者は、博物館の学芸員をされている方で、自然観察会などを催したときに参加者に説明するという実践的な立場に立たれているので、平易に昆虫や植物の同定法や、自然観察の意義などをまとめられていて、教わるところが多かったと思っています。
(3) 「害虫防除の常識」に、「2.有害生物(害虫)管理にあたって守るべき事柄 1)農業者として守らなくてはならないこと」と題して、農業を巡る法律的な規制についての前書きのようなことを書きました。農産物や環境の安全性などに関係する法律を挙げてみると結構いろいろあります。筆者自身も復習あるいは勉強するつもりで、今後、農業者に直接関係する事柄をかいつまんで順次解説していく予定です。
2007年7月6日 主宰者より
メールマガジン12号は7月31日に会員宛発信しました。ホームページへの掲載は約1月遅れとなります。
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